タイトル
建築の豆知識 2004年1月号

ケイエスケイ設計
http://www.ksk-sekkei.com/

 このコラムでは、住宅を建てるときに参考になるようなことについて述べたいと思います。

 住宅を建てることは、人生で一度か二度しかない大きな仕事です。これから、住宅を建てようと思っている人やリフォームをしようと思っている人が、建築会社やハウスメーカー等の営業マンと打合せをしていく上で、きっとお役に立つ建築の豆知識を隔月で掲載していきます。  今後ともぜひご覧下さい。


住宅のカビとダニ

1. カビ

 カビには、人間に役立つカビと害になるカビがありますが、住宅内に発生するカビは、百害あって一利なしといっても過言ではないでしょう。
 住宅内で発生するカビが原因となって喘息や肺炎を起こしたり、カビを餌にしたダニやカビ自体が原因でアレルギーを引き起こしたりする症例が、最近数多く報告されています。また、カビの中には、建材を腐朽させるものもあります。

 日本の住宅で多く見られるカビには、浴室のタイル目地や壁などに黒くスス状に発生するススカビや、食品・革製品・木材などに発生するクロカビ、台所や浴室の排水口のぬめりの原因となるオーレオバシディウムをはじめ、他にも数多くのカビがあります。

 カビが発生する条件には、温度、湿度、栄養分、酸素の4つがあり、温度が20℃から30℃になると、ほとんどのカビが増殖します。また、カビは、湿度が80%を超えると増殖し、90%を超えるとその勢いを強めます。ただし、湿度が70%以下ではカビは発生しません。

 日本の住宅は、以前は、夏向きで風通しのよい造りをしていましたが、アルミサッシの普及とともに機密性が高くなり、計画換気のされていない風通しの悪い住宅が増えてきました。また、生活様式やまわりの住環境の変化により、窓を開け放した生活ができにくくなっていることもカビの発生の原因になっています。
 カビの発生を抑えるには、カビが発生するための4つの条件のうちの1つである湿度を、人間が生活するのに快適な60%程度にすることが、人間にとってもよいことだと思います。すなわち、湿気を多く発生する場所の局所換気と、建物の高気密化による計画換気、高断熱化による暖房負荷の低減を考慮した住宅設計が、カビの発生を抑制する有効手段となるわけです。


2. ダニ

 ダニも、カビと同じように、温度と湿度によって発生状況に大きな差が見られます。
 ダニは、人間にとって快適な環境条件を好みます。適温は20℃から30℃で、25℃以上になると大繁殖し、50℃以上になると死滅します。また、最適な湿度は、60%から80%です。

 住宅内で見られるダニはおよそ40種類で、代表的なものには、チリダニ科のヒョウヒダニ、ツメダニ科のミナミツメダニがいます。ヒョウヒダニは、カビなどを餌にして畳やじゅうたん、ふとん、ぬいぐるみなどの中で繁殖し、鼻炎、結膜炎、喘息、アトピーなどのアレルギー症状の原因になっていると考えられています。ツメダニは、ダニ類の体液や昆虫の体液を餌にして、畳やじゅうたんの中で生息し、人を刺してアレルギー症状を引き起こすことがあります。

 ダニが生息場所として畳やじゅうたんなどを好むことから、床材はできればフローリングなどにすることをお勧めします。また、床暖房は、それ自体の熱でダニを死滅させるわけではありませんが、じゅうたんなどの奥にいたダニが、50℃近い温度となる発熱体の付近を嫌って床材の表面に現れ、これを掃除機で吸い取ることにより多くのダニを減らすことができるため、ダニの発生を抑えるのに有効な手段となります。
 新築やリフォームの機会に、また、じゅうたんからフローリングに模様替えするときなどに、選択肢の1つとすることもよいと思います。


次回2月号は、「家相と方位 続編」を予定しています。ご期待ください。